2016年1月6日水曜日

13才、ブランコが漕げるようになりました!

発達障害の子供たち。
乳幼児期の身体の発達に問題がなくても、
上手にできないことがたくさんある。

息子は、身体を動かすことが割と好きだ。
彼のニーズを考えてみると、
ピョンピョン跳んだり、
ぐるぐる回ったり、
勢いよく動いたり、
高いところから飛び降りるような衝撃も好き。
しっかりとした感覚を常に欲しいと思っている。
 
乳幼児期から学童期にかけて、
息子は多くの作業療法士さんと共に、
このニーズを叶えさせてもらった。
いろんな方に手助けをしてもらって、
遊びを実現していたということだ。

しかし、もうその時期は過ぎてしまった。
本当は年齢的にも何かスポーツに転換して欲しい時期ではあるのだが、
まだまだ転換しきれていない。
 
・・・・・
 
ここ半年ほどの間に、
ディの職員さんやガイドヘルパーさんから
「公園に行ったら、ずっとブランコしていましたよ。」
「ブランコ、一時間くらい乗ってましたよ。」
そうお聞きすることが増えた。

私のイメージでは、
まあ好きだけど、遊び込めなくてすぐ止めてしまう遊具。
自分で漕げないから、押して貰うことでしかニーズが満たせない遊具。
誰かが一対一で付いてくれていなければ無理なのだ。
そして、そのお付きの人も、相当体力がいる仕事なんだ。

公園で、社会的な遊びができない彼にとって
公園って大して時間が持たない場所なのだ。
そして、もう身体も大きいし、そうそう行くこともないだろうと思っていた。
 
・・・・・
 
元旦、近くの神社に初詣に行った帰り、
「ブランコする」と息子が言うので、
一緒に公園に行った。

するとなんと、自力で漕いでいるではないか!
自分の身体の軸の移動が可能になっているではないか!
たかーくたかーく空たかく、とっても気持ちが良さそう。
それは、楽しいわぁ。
やりたいことが、自分の力でできるってすごく嬉しいもんね。

そして、たくさんの小さなお友達が代わって欲しいと並んでいたので、
「代わってあげようね」と声をかけると、
ちゃんと自分から遊びを止めることができた。

そして、大きな身体をした息子、
「代わってください!」と次はまたやりたいとアピールしている。
(並んではいられなかったけど・・・)
そしてまた代わってもらい、ブランコをする、ということを繰り返した。
そんな社会のルールにも、対応できるようになってきたんだね。
 
身体が大きく、しっかり漕げるようになった息子のブランコは、
「あのお兄ちゃんぐらい、高く~!」と
小さなお友達にとって憧れるくらいの、漕ぎっぷりだったようだ。

・・・・・

ブランコを漕ぐ。
たったそれだけのことのようだが、
身体の軸がしっかりしていない子にとっては、
あのゆらゆらした小さな板の上に、自力で座っていることでさえ、
難しいことなのだ。
そこから、気の遠くなるような時間を経て、
その間に様々なことに取り組んだ結果、
ブランコを自分で操作できるようになった。
そこまでに、何年費やしているだろう。

・・・・・
 
結果はすぐには出ない。
息子やその他の発達障害の子と接していて感じる。
変化しないということに苛立たず、
じっくり丁寧に接し続けることの大切さを感じる。
 
実は、こんな親の心構えとも言えるスキル、
とってもとっても難しいのだ。
皆さん、これができなくて苦しんでおられるとも言える。
 
常に何かを教え込もう、常に前進していきたい、
昔は、私もそんな親だった。
でも、子供もそんな親が常にぴたっとくっついていたら、
しんどいんじゃないか。
親も、何かにせき立てられるようで、
心が安まる暇がないんじゃないか。

かといって、ただぼーっと過ごすということではない。
「こんな風になってくれたら」
「そのために、こういう活動をしていこう」
そんな方針はしっかりと作っておきたい。
 
最終的に、目標に到達することができないことも、いっぱいある。
願っていたほどにはできない、そんなことだらけだ。
 
でも、ブランコのように、諦めて静観していたら、
自分の力で乗り越えていた、ということもあるから面白い。
 
苛々してせき立てられていた母親の私も、
よく笑い、よく待てる、母親になれたことも面白い。
 
・・・・・
 
2016年が始まりました。
ゆったりと、そしてしっかりと子どもに向き合ってまいりましょう。
 
・・・・・
 
タカマミー

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